【知多木綿の魅力再発見】
昭和初期に一世を風靡した「知多木綿」ってなに?
江戸時代、知多半島で生産された知多木綿は、昭和に至るまでトップランナーであり続けました。今、あの知多木綿はどうなっているのか―大正時代から綿織物生産を牽引し続けてきた企業「オカトク」さんで、その現状と新たに広がる動きについて探ってきました。
目次
農家の副業から日本一となった知多木綿
そんな知多木綿に堂々と「知多」の名が登場するのは、江戸中期の天明年間(1781~88)、中島七右衛門らが晒技術を導入してからのことです。このころの知多では、糸車を回して糸を紡ぎ、機を織るのはもちろん、自家用に藍染めをして縞木綿を織るのも女性の仕事。『機を織れないものは、嫁に行けぬ』といわれたほど、どの家庭でも行う手仕事のひとつでした。知多のハタゴによる手織り木綿の風合いは格別で、品質の良い「知多晒」の名は江戸でも評判を呼び、いつしか江戸送り日本一と呼ばれるようになりました。
そして、その名が名実ともに注目されるようになったのは、幕末から明治にかけてのことです。その理由は2つあり、ひとつは品質向上、そして知多半島全域での木綿産業の発展によるものでした。
なかでも当時の岡田は、日本有数の織物の町として知られていました。竹之内源助と中島七衛門の大規模工場には非常に高価な外国製の織機があり、さらには初の動力織機の開発に挑戦している竹内虎王もいて、まさに最先端技術の見本市みたいな場所だったのです。
「オカトク」工場で知多木綿のいまを探る
創業26年で3工場に2698台、昭和36年には岡田だけでなく、武豊や岐阜県の中津川などに5工場を有し、日本一の木綿専用会社として急成長しました。しかし現在はというと、木綿の国内自給率が1%という冬の時代。織物工場の象徴だったのこぎり屋根の建物もいつしか跡形もなく消え、オカトクもほとんどの工場を閉鎖しました。
かつて日本一だったあの知多木綿は、今どうなっているのか―。それを知るため、岡田で操業を続けるオカトクの工場を見学してきました。
「オカトク」工場内へ!
工場内は、エアージェット織機がガチャガチャと大きな音を立てて動き続けています。白い糸がリズミカルに織られてゆき、布となってどんどん出来上がっていく様子から目を離せずにいると、いくつも並んだ織機の合間を縫いながら、いかにもベテランそうな社員さんが手慣れた様子で、切れた糸をつなぐ作業をしていました。
岡田の歴史と文化を紡ぐオカトク本社工場旧女子寮
全国から集まった多くの女性従業員が、その繁栄を支えました。
従業員たちが暮らした女子寮が現在も残されており、昔の暮らしに思いをはせる歴史遺産となっています。
非公開の建物内部を映像でご紹介します。
暮らしのあちこちに、知多木綿
「知多木綿というのは、知多を表す言葉であり、象徴みたいなものなんです。手織りの伝統工芸品も機械織で織る工業製品も、この知多地域で育まれた大切な文化であり、それをみんなで守り伝えていくのが大事じゃないかと思います」(安藤社長)。
Spot Overview
- オカトク株式会社
- 創業1913年。100年以上続く織物生産の企業として知多木綿を支えている。
工場見学のお申し込みはこちらから
知多木綿をめぐる新たな動き ~スポット紹介~
■ 知多木綿アンテナショップ 4 7 8 (よんななはち)
Spot Overview
- 知多岡田の旧中七木綿本店にある知多木綿のアンテナショップ。店内に置かれている商品は、すべて知多木綿を使っています。
【住所】知多市岡田開戸28-1 (旧中七木綿本店)
【営業時間】10:00~16:00
【定休日】月・火・水曜日
気軽に体験できる
■ 手織の里 木綿蔵ちた
Spot Overview
- 手織の里 木綿蔵ちた
- 手織り体験ができ、知多観光に人気のスポットです。
※ 感染症拡大防止の観点から定休日以外もお休みの可能性があります
【住所】知多市岡田字中谷9番地
【営業時間】10:00~16:00
【定休日】月・火・水曜日
■ 伝承知多木綿つものき
Spot Overview
- 伝承知多木綿 つものき
- 知多木綿の体験ができる施設です。
「つものき」とは、糸車で糸を紡いでできた形を呼んだ言葉です。知多木綿の伝統的な技法を使って、糸つむぎと機織りの体験ができます。
【住所】知多市岡田開戸24(雅休邸内)
【営業時間】10:00〜16:00
【定休日】月・火・水・日曜日定休
木綿でつながる知多の絆、ぜひ体感してみてはいかがでしょうか。
Spot Overview
- 岡田の古い街並み
- ノスタルジックな雰囲気が漂う岡田地区は、江戸期から昭和30年代まで知多木綿の中心地として繁栄しました。ゆるやかなカーブが続く道沿いには、現在でも黒板塀やなまこ壁の家や蔵など現在でも、往時の栄華の名残が街並に残っています。
/